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健康情報を集めていると、「腸活」という言葉を耳にする方は多いはず。腸活は、最近になって注目され始めた健康法です。腸活によって、便通が改善したり体調が整ったりとさまざまな効果が期待できます。ここでは、腸活の概要や具体的な方法を詳しくご紹介します。

腸活とは

腸活とは、腸内環境を整えるために、善玉菌に良い食べ物や飲み物を摂ることです。腸活への理解を深めるために、腸内環境とは何か具体的に確認しておきましょう。腸内には、善玉菌と悪玉菌、どちらにも属さない日和見菌が存在します。

悪玉菌よりも善玉菌の方が多い状態が良好な腸内環境と言えます。腸活では、善玉菌を増やして悪玉菌よりも多い環境を作り上げることで、身体の体調を整えていきます。

腸内環境が乱れることの問題点

腸内環境が乱れると、次のように健康状態に問題が起きる可能性があります。

便通が悪くなる

善玉菌よりも悪玉菌の方が多い腸内環境では、便が正常に形成されず、便秘や下痢になる恐れがあります。また、悪玉菌が出したガスによって腸のぜん動運動に支障をきたし、適切に排泄できなくなります。便通が悪くなれば腹痛やお腹の張りなどの不調が現れ、生活に支障をきたす恐れもあるでしょう。

肌トラブルのリスクが高まる

悪玉菌が出したガスは、おならとして排出されます。しかし、一部のガスの成分が血液に溶け込み、全身へと送られてしまうのです。ガスの成分は不純物のため、毛穴から排出されるのですが、その際に肌トラブルを引き起こす恐れがあります。

免疫に悪影響が及ぶ可能性がある

近年の研究では、腸内環境と免疫に深い関係があることがわかっています。例えば、「ヨーグルトを食べ続けて腸内環境を整えたところ、インフルエンザに罹患しにくくなった」、「アレルギーを持つ人が腸内環境を整えたところ、アレルギー症状が現れにくくなった」といった研究結果が出ています。

そのため、腸内環境が乱れると免疫に悪影響が及び、感染症にかかりやすくなったりアレルギー症状が現れやすくなったりする恐れがあります。

腸活のメリット

腸活によって腸内環境を整えることには、どのようなメリットがあるのでしょうか。腸活に対するモチベーションを高めるためにも、1つずつ詳しく確認していきましょう。

便通が改善する

悪玉菌よりも善玉菌が多い状態になると、便が正しく形成されて、スムーズに排泄されるようになります。また、悪玉菌が出すガスの量も減ることで、腹痛やお腹の張りなどからも解放されるでしょう。

免疫力が上がる可能性がある

腸内環境を整えることで免疫系に何らかの良い影響を与えられ、免疫力が上がる可能性があります。免疫力が上がることで感染症にかかりにくくなったり、アレルギー症状が現れにくくなったりすることが期待できます。ただし、劇的な効果は期待できないため、腸活に頼りすぎないように注意が必要です。

気分がスッキリする

便通やお腹の張り、腹痛、アレルギー症状などが和らぐと、気分がスッキリする方もいるでしょう。腸活には、身体的な効果と精神的な効果の両方が期待できるため、健康維持を心がけている方はぜひ挑戦してみてください。

腸内環境を整える方法

それでは、腸内環境をどのように整えればよいのか、詳しくみていきましょう。

食物繊維や善玉菌を摂る

善玉菌を増やすには、食物繊維や善玉菌を摂る必要があります。食物繊維は、善玉菌の栄養源となるため、善玉菌の増殖に役立ちます。食物繊維を多く含む食べ物は、大根やにんじん、ほうれん草、れんこん、かぼちゃなどです。不溶性食物繊維と水溶性食物繊維を1:1で摂りましょう。

また、善玉菌を含むヨーグルトやチーズ、キムチ、しょうゆ、納豆などを食べるのも効果的です。一時期、腸まで届く乳酸菌が流行しましたが、これは乳酸菌が胃で死んでしまい、腸内環境を整える効果を十分に発揮できないとされていたからです。

実は、乳酸菌は死んだ状態で腸に行き着いても、腸内環境を整える効果を発揮できることがわかっています。そのため、腸まで届くタイプかどうかに関係なく、発酵食品を意識的に摂ることが大切です。

十分に水分を摂る

水分が不足していると、便が適切に形成されません。その結果、便がスムーズに排泄されなくなって腸に溜まります。そうすると、悪玉菌がガスを排出して腸内環境を乱し、ますます便通が悪くなってしまうのです。

便秘になったときは、食物繊維が不足していることが原因だと思い込みがちですが、水分不足の可能性もあることを覚えておきましょう。目安として、1日1.2~1.5リットル程度の水分を摂ってください。1日2リットルの水を飲むべきとの声もありますが、食品にも水分が含まれているため、飲み物として摂る水分は2リットルも摂る必要はありません。

ただし、感染症に罹患したとき、汗をかいたとき、体温が上昇したとき、嘔吐したときなどは、身体の水分の排出が増えるため、より多くの水分を摂る必要があります。また、一気に水分を摂ると、余分な水分が排出されてしまうため、こまめに飲むことが大切です。

例えば、朝食・昼食・夕食のほかに、ティータイム・入浴前・入浴後・寝る前にコップ1杯の水を飲めば、1.5リットル程度は摂取できます。思っている以上に水分を十分に摂ることは簡単なので、今日から挑戦してみてはいかがでしょうか。

適度に運動する

適度な運動は、腸への血流を促すことで腸の働きを改善します。腸のぜん動運動が正常に起きることで便通が改善し、結果的に悪玉菌が増えにくくなるのです。適度な運動とは、30分程度のウォーキング、無理のないジョギング、水泳やサイクリング、各種スポーツなどのことです。

激しい運動は血流を悪くする恐れがあるため注意しましょう。また、運動習慣がない方が急に激しい運動を始めると、途中で挫折する可能性が高まります。そのため、1日30分程度のウォーキングから始めて、運動に慣れてきたら他の運動に挑戦してみるのがおすすめです。

十分かつ良質な睡眠をとる

睡眠不足になると、交感神経が優位になることで腸のぜん動運動に影響が及び、便通が悪くなる恐れがあります。十分かつ良質な睡眠をとることで自律神経が整うと、腸のぜん動運動が改善されて腸内環境が整いやすくなります。

適切な睡眠時間には個人差がありますが、最低6時間は寝ることが大切です。ただし、6時間睡眠を長く続けると、心身にストレスがかかり続けてしまうことで腸に悪影響が及びます。

また、朝まで熟睡できるように睡眠環境や寝る前の行動を見直すことも必要です。例えば、寝る2時間前に入浴する、適度な室温と湿度を保つ、寝る前にコーヒーやアルコール飲料を飲まない、といった方法があります。

まとめ

腸活を始めるときは、腸内環境を整えるために食事や生活習慣を工夫してみてください。ヨーグルトを食べるだけでも腸内環境が改善されて、腸活の効果を実感できるでしょう。食事や睡眠、適度な運動など、さまざまな方法を組み合わせることで、腸内環境を効率よく改善できます。また、全身の健康を整えることにも繋がりますので、健康志向の方はぜひ腸活に挑戦してみてください。